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レフトドライブ

11月2~4日にかけ、幕張メッセで開催されたサイクルモードに

Project-Kが出展した事は、多くの方においで頂けた事で一定の成功を収めたのかな?と思っていますが

その際展示したバイクの紹介をしてみましょう。

 

今回、メダマとして展示したモデルは2点

*特別に飾ってはいないですが、判った人にはソレなりの衝撃?

其の1台がコレ 061 T-ONE トラックバイクです。

フレームは、Project-Kオリジナルとして販売している通常のモデルですが

よく見てください。

クランク・ギヤ 等 左に付いています。

これには、ホントに大事な意味が有り、何故これが出来たのか。

そして、このバイクにはどんな意味が有るのか・・・・

その辺を、ご紹介します。

 

まず最初に

左にクランクが付いた レフトドライブ 自体は、世界初 ではないのです。

4年前のリオデジャネイロオリンピック用にFELTが開発し、

アメリカ女子チームが金メダルを獲得しているのです。

更には、BMXの世界でも一部のストリート向けに生産されていました。

 

その上で、

何故レフトドライブが必要なのか? ですが

トラック と言うバイクは、ヴェロドローム(バンク:競輪場)を走る専用モデルです。

当然、左回転しか有りません。

更には、角度の付いたコーナー*バンク を走る用に創られます。

このヴェロドロームですが、今の世界基準は250m/1周

日本には、現在伊豆・修善寺にしか有りません。

*2021年 千葉競輪場が250mバンクとして生まれ変わります。

この250mバンクを走った競輪選手から、

コーナーでバイクが起きる・膨らむ

コレを抑え込むのが先ずはキモになる・・と相談を受け

その中で、何故自転車って言う物は、右に重心が偏っているのだろう?

左コーナーで倒しやすくするなら、左に重心が有った方が良くないか?

じゃ、重たいクランクを左にしたらどうだろう?

 

ココが、このバイクを・・・というか、肝心な部分を開発するスタートだったのです。

 

先ずは、左にクランクは着くのだろうか?

左に付けた場合、ギヤ版がフレームに当たったりしないのだろうか?

と言う問題点が有ります。

これは、クロモリの工房に居た時代から有る事で、ギヤ板がフレームと接触しないように

フレーム右側に”逃げ”を作るのはごく当たり前の話だったのです。

そこが、カーボンに成り自由度が増え

空力を考え空気の流れを優先していた結果・・・・・・

ほんとに偶然ですが、061 T-ONE は左右共に十分なクリアランスが有りました。

*この画像では60Tを取り付けています。

また、レイヤードもほぼ左右同じとの事。

で、あれば、このフレームでレフトドライブは可能。

 

何度かテストでレフトドライブ化し、乗ってもらっていたのですが

ココで大きな問題点。

後輪の駆動部分です。

後輪の駆動は、従来は右にギヤ(リヤコグ)が付く事を大前提に作られています。

リヤコグの取り付け方法はリヤコグをネジとして締めこんで固定する。

非常にシンプルかつ確実な方法。

ゆるみ止めとして、そのリヤコグの外側に逆ネジのロックリングを取り付け

逆向き(緩める方向に力がかかった場合)の脱落&緩みを防止すると言う物。

当初は、これなら

左側に持ってきて駆動させる=リヤコグを緩める動き だけれど

ロックリングで止まるから大丈夫じゃないかな???とテストを行っていたのですが、、、

 

単独走であれば、特段の緩みも無く使用できたのですが

複数の人間で走った場合・・・

踏む・力を抜く・再度踏む・・・を繰り返す状態だと緩みが発生する事が判明

これじゃ使えない・・・

 

と言う事で、レフトドライブにも対応するリヤコグ・・リヤハブが必要と成りました。
このリヤハブが出来たことで、今回のレフトドライブが実現したのです。

次回は、このリヤハブのお話・・しましょうかね


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